年老いた女性は何年もの間、毎日近所のレストランに通っていました。メニューは決まって「本日のスペシャル」をオーダー。そのレストランで夕食をとることは、彼女にとって毎日のお楽しみの時間でした。しかしある日、彼女はそのレストランを追い出されてしまいます。そして彼女を追い出したマネージャーは、その後すぐに後悔の念に苛まれます。
なぜならその女性がそのレストランにとってどういう人物であるか、その正体を知ったからです。
この88歳の女性は毎日一人でそのレストランを訪れ、日替わりのセットメニューを注文。彼女にとってその時間はが唯一の外出時間でしたし、顔見知りのウェイターたちと食事の間にするおしゃべりを楽しみにしていました。
スタッフたちにとっても、彼女に声をかけることが楽しみの一つでもありました。
しかしその日の夕食のためにそのレストランへやってきた女性の様子はいつもと少し異なりました。不安そうな表情で、スタッフと話すこともなく黙々と食事をしていました。そしてそのままお金も払わずにレストランを出ていってしまったのです。
しかしその後、ウェイターの一人がとある発見をします。
スタッフたちは、この日女性の体調があまりよくないことが明らかだったので、彼らはこの日は女性に食事の代金の支払いを求めないことに決めました。
30年以上にわたって、通い続けるお客さんです。そして毎日同じ時間にやってきて、同じ場所に座って食事をする女性。また明日もやってくるはず、お支払いは今日でなくても、また後日払ってもらえばいいのです。
ほとんどすべてのウェイターたちが彼女のことを知っていました。そのため、この日の彼女の様子がおかしいことは誰にとっても明白でした。